
みなさまこんにちは。
江東区議会議員の三次ゆりかです。
寒さも和らぎ、暖かい日が続くようになりました。
本格的な春の訪れを感じられるとともに、これから新しい生活が始まるという方も多いことでしょう。
進学される学生さんや社会人としての第一歩を踏み出される新入社員のみなさま。希望にあふれた毎日を過ごせるよう心から応援しています。
さて今回のブログでは、不登校児童・生徒への支援策や補聴器購入補助金引き上げのお知らせ、さらには私が特に注力してきた産後ケアの充実に向けた取り組みの進捗や成果についてお話したいと思います。
目次
補聴器の購入補助金が上限7万2450円まで引き上げ
先の予算委員会では、補聴器に関する予算の大幅な増額がありました。
これは認知症対策の一環であり、所得制限が撤廃されるとともにデジタル補聴器の購入支援(購入補助金)が強化された決定です。従来の補助額は3万円でしたが、今回の改正で上限7万2450円へと大幅に引き上げられました。
補聴器は、大きくて煩わしく感じることを理由に使用を避ける人も少なくないようですが、適切に装着することで聴力を改善し、認知症の予防にもつながるとされています。さらに、高性能な補聴器ほど聞こえが良く、生活の質の向上に貢献することも期待できるため、今回の支援拡充は非常に意義のあるものだと思っています。
補聴器の購入を検討されている方や、耳鼻科で補聴器が必要であると診断を受けた方は、ぜひ江東区のホームページで詳細をご確認いただきご相談ください。
学校に行きづらい子どもたちとその保護者が安心できる環境をつくるための取り組み
現在、江東区では不登校児童・生徒への支援として「校内別室登校」の取り組みが進められています。この制度は、身体的、精神的な事情を抱えることによって教室への入室が難しい子どもたちが、学校内の別室にて個別に授業を受けられる仕組み。
これまでにも、区内の数校で試験的に実施されていましたが、今年度の予算が通過したことにより、今後は区内全校で実施される予定です。
不登校の子どもたちやその保護者の方々の声を聞く機会が増えた中で、江東区の支援が十分ではないと感じることが多くあります。例えば、「不安や悩み、支援についてわからないことがあっても、どこに相談すればよいのかわからない」という声はとても多くいただいています。
他区の事例を見ると、目黒区では「不登校ガイドライン」を作成して保護者が適切な支援を受けられるような情報提供を行っています。このガイドラインは非常にわかりやすく、不登校の子どもを持つ保護者の方々にとって有益なものです。そこで、私は江東区でも同様のガイドラインを作成することを教育委員会に提案しました。
また、江東区ではフリースクールの数が少なく、不登校の子どもたちが学べる環境が限られています。こうした状況を改善するためにも、私は不登校支援に取り組む民間の団体やフリースクール運営者と連携を図っています。
その一環として、とある子育て中の保護者の方と協力し、区議会への提案を進めているとこです。この方は、自身の経験を生かしながら不登校支援について調査し、多くの資料を提供してくださいました。そこから不登校支援の現状をまとめるとともに、今後は区議会や教育委員会への提案を強化するためのチームの立ち上げを検討しています。
物価高騰などによって生活の維持が苦しい状況にありながら、不登校の子どもを持つ保護者の方が仕事を辞めざるを得ないケースも深刻になっています。
そのようなケースを鑑みても、大勢の人がいる環境を避けたいという傾向があったり、保護者と離れることを拒む子どもを抱えられる保護者の方が、安心して仕事を続けられる環境を整えることは重要な課題です。
先の保護者の方は、現在の勤務先で介護休暇を利用して育児をされていますが、長期的には持続が難しい状況にあります。そこで子どもの側で働けるよう、私は区議会議員の仕事がその一例になると考え、この方にインターンとして議員活動に関わってもらうことを提案しました。
不登校の子どもたちの心を開くためのさまざまな取り組み
また、不登校支援の一環として江東区では公園の活用にも注力していくよう提案しました。
私は、「公園マスタープラン策定事業」の中で、子どもたちが自由に遊べる「プレーパーク」の設置を求めてきました。プレーパークには「プレイリーダー」と呼ばれる大学生やNPO団体のスタッフが常駐し、不登校の子どもたちが安心して過ごせる環境を提供します。
ここで子どもたちは、日常的に関わる大人との信頼関係を築きながら、心を開いていくことができます。現在は大島9丁目の公園で試験的にプレーパークの運営が始まって行く予定も立っており、今後は公園マスタープランの中で正式な位置づけを目指しています。
もうひとつ。4月からは、子どもたちがビジネス体験をできるイベントの開催など、さまざまな活動をおこなっている「中小企業戦略研究所」が運営するフリースクールが森下で開設予定です。私はこのフリースクールの設立を支援し、関係者を繋ぐ役割を果たしています。
今後も、江東区の不登校支援を充実させるために、行政と民間の連携を強化できるよう多様な取り組みを推進していきます。
江東区のホームページや私のブログでも、不登校の子どもや保護者の方々が必要な情報を得られるよう積極的に発信していきますので、定期的にのぞいてもらえると幸いです。
※2月に開催された「中小企業戦略研究所」さん主催のビジネス体験イベントの様子です。
出産後の母親の負担を軽減させる産後ケアの拡充

次は、江東区における産後ケアの充実と私が取り組んできた政策についてお話ししたいと思います。
出産は、医学的には「全治3か月」とも言われる身体的な“重症”ともいえ、母体には大きな負担がかかるものです。しかし、日本では産後間もなく退院をさせられたうえに、すぐに育児へと追われる母親が多く、その負担は大きすぎるのが現状だととらえています。私自身も出産を数回経験し、その過酷さを身をもって知りました。
そんな経験から、私は産後ケアの充実が少子化対策に直結すると考え、議員として緩和策の提案などに積極的な姿勢で取り組んできました。
特に、「宿泊型産後ケア」に関しては産後ケア施設の利用日数の延長と柔軟な分割利用を求めて粘り強く提案を続けてきました。その提案のかいもあり、かつては2泊3日だったものが4泊5日、5泊6日と段階的に延長されてきました。また、最長で6泊が可能になるよう、例えば2泊3日を2回、3泊4日と1泊2日とかに分けた分割利用ができるようになることで、上の子がいる家庭でも無理なく活用できるようになったのです。
私が議員になった当初、江東区で利用できる産後ケア施設は1か所しかありませんでした。それが現在では13か所にまで増え、さらに今年度は3施設が新たに加わりました。この拡充により、より多くの母親が適切な産後ケアを受けられるようになったことは、私の議員活動においても大きな前進だと考えています。
産後ケア施設では、助産師が常駐しているため、母親は赤ちゃんを預けて休息を取ることができます。授乳のタイミングになれば赤ちゃんを戻してもらい、母親はゆっくりと母乳を与え、その後再び休むことができわけです。さらに、沐浴(赤ちゃんのお風呂)や乳房ケアのサポート、栄養バランスの取れた食事の提供など、産後の母親の身体回復を助けるサービスも充実しています。
これらのサービスを知らないまま、産後の疲労とストレスに耐えている母親はまだまだ多いのが現状です。
そのため、妊娠中から産後ケアについて知る機会を増やし、必要な人が適切に利用できるようにすることが大切だと思っています。私は、産後ケアの啓発を進めるとともにさらなる拡充を訴え続けていくつもりです。
また、産後ケアと並行して、産後ドゥーラや家事育児支援の導入も積極的に推進しています。
産後ドゥーラは、専門の研修を受けた支援者が産後の家庭を訪れ、母親のケアや家事、育児のサポートを行う制度です。産後ケア施設に宿泊できない場合でも、自宅で手厚いケアを受けられる仕組みを整えていくことが、少子化対策にもつながると考えています。
産後の母親が適切な支援を受け、安心して育児に専念できる環境を整えることは、単なる福祉の問題ではなく、社会全体の未来に関わる重要な課題です。産後の負担を軽減することで、2人目、3人目の出産を希望できるようになると期待できますので、結果として出生率の向上にもつながります。
私が議員として取り組む理由は、自身の経験からくる「同じ辛さを他の人に味わってほしくない」という思いにあります。だからこそ、産後ケアの拡充を実現し、これからもより良い制度作りに尽力していきます。
今後も、産後ケアの充実、産後ドゥーラの普及、家事育児支援の拡大を目指し、議会で積極的に提案を続けていきます。
母親が負担を抱えながら育児を頑張るのではなく、社会全体で支える仕組みを作ることが、江東区、そして日本全体の未来にとって重要であると信じています。
https://youtu.be/2KtlCyskcQU?si=ovstbJCOH5Rq0gKd
※私が産後ケア施設を利用した際に撮影したリポート動画です。
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