みなさまこんにちは。
江東区議会議員の三次ゆりかです。
少し前の話になりますが、天皇皇后両陛下が催された春の園遊会に夫の音喜多とともにお招きいただきました。
当然、私も夫も初めての参加。着物を着付けて会場である赤坂御苑へと出向き、苑内の景色を夫と連れ立って眺めながらテクテク歩いたり、用意されていた素敵なデザインのティーカップに心を奪われていたりしていると、そこへ立憲民主党所属で衆院議員の笠ひろふみさんと出くわすことに。
笠さんの手引きで、皇家の皆さまが通られる道へと案内していただき、さらには会話のしやすい最前列に位置取ることもでき、しばらく待っていると天皇陛下が歩いてこられるお姿が見えてきました。
「ご機嫌いかがですか」などと整列されている参加者の方々にお声がけしながら、いよいよ私たちのもとへといらっしゃったのですが、私も夫もアガってしまってしまい、私はただペコペコと頭をさげながら「こんにちは」と発するのが精一杯。夫はといえば、「万博がんばります!音喜多です!」と、普段はあまり見られないようなアガりっぷりを披露しており、私は思わず「何を言い出すんだ突然・・・」とツッコんでしまいそうになりました。
残念ながら皇后陛下にはお会いできませんでしたが、紀子さまや佳子さま、そして愛子さまとはお会いでき、相変わらずアガりながらもお話しをさせていただく時間を過ごすことができました。
私は特に愛子さまとお会いすることを楽しみにしていたのですが、愛子さまと対面した際には、夫の「妻は愛子さまにお会いするために来ました」という一言で場が和み、愛子さまも喜んでおられたご様子でした。
愛子さまが身につけておられた洋服が薄いピンク色、私が政治活動でよく着る服の色もピンク色ということもあり、“ピンク色”という共通点でお話しさせていただくことで、どうにか会話を成立させたものです。
ちなみに、私が当日着ていた着物の色は薄い紫色。ピンク色の着物を着るべきだったかも・・・
こうして、感激と喜びとたくさんの緊張が混じり合った初めての園遊会は終了。
お招きいただき、貴重なお時間を過ごさせていただいたことに心より御礼申し上げます。
岸田総理ご夫妻や野田元総理ご夫妻をはじめ、たくさんの政治家の方々にもお会いしました。
写真撮影をお願いしまくった、ミーハー丸出しの私です
目次
「子ども安全管理士」取得にあたってお世話になった長崎県大村市へ
4月は、「子どもの事故予防地方議員連盟」の所属議員数名とともに、長崎県の大村市へ研修に行きました。
私は、防災士をはじめいくつかの資格を持っているのですが、そのなかのひとつに「子ども安全管理士」があります。
その名称のとおり、子どもの事故や怪我を予防するために必要な知識を有することを証明する資格であり、主に保育士や幼稚園教諭の方々の取得率が高くなっています。
この資格が誕生したきっかけは、数年前に愛媛県で発生した保育園児の水難事故。遠足で川遊びに出かけた園児のひとりが、前日の大雨で増水した川で、ライフジャケット未着用の状態で遊んでいたところ、先生が気づいたときにはすでに流されて亡くなっていたそうです。
この事故において浮き彫られたのは、保育士の安全管理に関する知識不足。そこで、子どもの命を守る安全な環境づくりや、保護者への啓発などを実施するうえでのエキスパートを養成するために誕生したのが当資格です。
資格取得には、専門講座の受講とレポートの提出が必要です。その専門講座は全国のいくつかの地域や団体が実施しており、私は長崎県大村市に拠点を置く「認定NPO法人Love&Safety」と大村市政が協働で実施している講座を受講して2021年に資格を取得しました。
そのようなご縁もあり、同法人の代表理事を務めておられる小児科医の出口貴美子先生や大村市とは、今も交流があります。また、「子どもの事故予防地方議員連盟」でも、所属議員が「子ども安全管理士」を取得しようとする動きが活発化していることもあり、今回は出口先生や大村市議会議員に、子どもの安全管理に関するお話しをうかがおうと出向いた次第です。
私がクルージング体験をした際の動画。
ライフジャケットの大切さについて話しています。
子どもの安全管理の重要性を再認識
当日は、出口先生をはじめ大村市議会議員の方々とのお話しを通じて、あらためて子どもの安全管理の重要性を認識させられました。
保育現場や家庭でも子どもが亡くなる事故は、全国で必ず年に数回は発生しています。例をひとつあげると、子どもの誤嚥事故があります。
たとえば、保育園での節分イベント後に口にした豆が原因で窒息死したり、ミニトマトやぶどう、白玉などの丸い食べ物をカットせずに口にして、同じように窒素死する事例は跡をたちません。SNS上で、子どもが大きな果物などを口に含む写真を見かけることがよくありますが、あれは窒息死の可能性もあり、大変危険な行為なのです。
このような誤嚥事故の防止に向け、私たちの議連では子どもへの食べさせ方に関する注意喚起をおこなってきました。
そうした活動が実を結んだかのように、現在では消費者庁が、乾いた硬い豆は5歳以下の子どもには食べさせない、ミニトマトや大粒のぶどうは1/4にカットしてから食べさせるように促す旨のガイドラインを公開しています。
また、保育園や幼稚園の登園に使用するいわゆる“園バス”の交通事故もみられます。園バスに乗車する園児には、シートベルトの着用が義務付けられていないこともあり、そもそもシートベルトが設置されていない車輌がほとんどです。
私たちは、シートベルトの設置と着用義務を以前から呼びかけているのですが、着用の補助や確認といった先生の負担が増加することなどを理由に、残念ながら今のところは義務化に至っていません。
今回の長崎研修で再認識した子どもの安全管理の重要性を踏まえ、そして「子ども安全管理士」であり、「子どもの事故予防地方議員連盟」の所属議員として、私は引き続き、事故の再発防止、ならびに子どもや親御さんが安心して命を預けられる環境づくりや命を守るための意識改革に結びつく取り組みを進めていきたいと思っています。
「全国若手議員の会」の研修で受けた堀潤さんの動画レクチャー
長崎研修から戻った翌週には、都内で開かれた「全国若手議員の会」の研修にも参加しました。
講師として招かれたのは、ジャーナリストやキャスターとして活躍されている堀潤さんと、沖縄県在住の元警察官で、現在は子どもの貧困に向き合う活動をされている山川(やまがわ)宗徳さん。
堀さんからは、主にメディアを活用した地方議員の発信方法についてのレクチャーを受けました。特に動画コンテンツに重点を置いた内容であり、YouTubeでも活動内容や情報を発信している私にとっては、とても参考になるお話しを聞くことができました。
内容の一部を紹介するとすれば、たとえば江東区の議員が動画を作成するなら、単に活動内容を発信するのではなく、区在住の陳情者を主役とした内容のドキュメンタリー動画を作成するべきであるということ。
受動喫煙の防止策制定に注力している私の活動をもとにするとすれば、受動喫煙に困っている区民の方に主役として登場していただき、現在の心境や要望をうかがいながら、喫煙所を新たに設置するべきかどうかについて話し合うといった内容になるでしょうか。
具体的な案は今のところ思い浮かんでいませんが、とにかく陳情者目線での発信を心がけるべきであるということを学びました。
元警察官の山川宗徳さんが行う貧困問題解消に向けた活動
そして、もうひとりの講師である山川さん。
タコライス発祥の地である沖縄県金城町出身の山川さんは、警察官を退職されたのちに「タコライスラバーズ」という団体を設立され、現在も代表として貧困状態の子どもたちへ主に食事を提供する活動を行なっています。
具体的な活動内容は、「みらいチケット」とよばれる食事チケットを県内の150以上の飲食店などに設置しておき、来店した子どもたちがそのチケットを取って店員さんに手渡すと無料でタコライスを味わえるというものです。
このチケットを購入するのは、お店に訪れる大人のお客さんたち。つまり、不特定多数の大人たちによる間接的な寄付活動ということになります。
「みらいチケット」は、もともと奈良県の橿原市で発祥したサービス。山川さんは、このサービスを知ると同時に、貧困家庭が多い沖縄県でも必要だと感じたことからクラウドファンディングを通じて資金を募り、県内でも開始したというのが大まかな経緯です。
ご自身の幼少期と警察官時代の体験が活動開始のきっかけ
では、どうして警察官だった山川さんが、退職をしてまでそのような活動を開始したのか。
そのきっかけは、山川さんの幼少期の体験と、警察官となってから対応した、とある騒ぎが基になっているといいます。
山川さんご自身も幼少期は決して裕福とはいえない生活を送られたそうで、警察官になってからは、貧困に苦しむ子どもたちを救いたいという思いを抱きながら勤務されていたそうです。
そんなある日、管轄区域のお店から「小学生の男の子が惣菜を万引きした」という連絡を受けることに。現場へ向かい話をうかがうと、男の子が盗んだものがミートボールだということが判明しました。実は、山川さんも幼少期に同じようにミートボールを盗んだ経験をお持ちだったようで、その男の子とご自身の幼少期を重ね合わせながら対応にあたったといいます。
また別の日には、保護した3歳の女の子が住む自宅へ共に向かったところ、電気が止められているために部屋の明かりはつかず、家族は誰もいない状態。一時的に署で預かる旨の書き置きを残して、女の子の保護を続けていたところ、シングルマザーとして夜のお仕事をされているお母さんが迎えにきたのは、翌日の昼過ぎだったそうです。
このようなリアルな貧困問題を目の当たりにされた山川さんは、食事にありつけない子どもの万引きといった非行を未然防止できるような活動を行いたいという気持ちが芽生えます。けれでも、「警察官である以上は、貧困に苦しむ子どもたちに細かなケアはできない」という思いともぶつかり、ついには警察官を退職して子どもたちの食事を支援する活動を選択されたといいます。
幼少期の山川さんは、自宅にある親御さんの机にしまってあった小銭を持ち出し、近所のお店にタコライスを買いに向かうという経験をされていました。買えたのは、ミートだけが添えられた一番安価な“普通”のもの。しかし、何も聞かずとも事情を察知されたお店の方が、栄養面も考慮して特別に野菜をそっとトッピングして提供してくれたと話されていました。
そのような温かな経験から、山川さんは団体名を「タコライスラバーズ」とし、「みらいチケット」を通じて、思い出深いタコライスを子どもたちへ振る舞う活動を始められたわけです。
山川さんのエピソードには、参加者の多くが心を強く打たれたようで、私を含めた何人もが涙を流し、鼻をすすりながら真剣に耳を傾けていました。
山川さんは、食事の提供はもちろんではあるものの、子どもたちへ伝えたいこととして、「感謝と優しさを覚え、受けた愛情を未来へと紡いでいく」ということをあげておられます。
実際に、食後には子どもたちが食器を片付けたり、机を拭くとなど、店員さんのお手伝いをするようになるほか、かつて「未来チケット」でタコライスを食べた子どもが今では大人になり、お返しとしてチケットを購入するというケースも多々あるといいます。
「地域の子どもたちは、地域全体で守り育む」。かつての日本では当たり前のように根付いていたであろう意識を、山川さんはご自身の活動を通じて再び根付かせようと邁進されているのだと感じました。
江東区でも同様の支援ができるよう取り組む決意
研修後、感銘を受けた私はすぐに区の関連部署の課長へ報告し、同様の活動の実現にむけて検討するよう依頼。
どのような形になるのかは今のところ未定ではありますが、山川さんの活動やエピソードを糧として、江東区でも「地域の子どもたちは、地域全体で守り育む」体制の構築を目指していきたいと考えています。
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