みなさんこんにちは。江東区議会議員の三次ゆりかです。
涼しい毎日が続いており、ようやく秋の訪れを感じられるようになりました。秋といえば食やスポーツ、芸術をはじめとした様々なイベントが開催される季節です。
私はといいますと、ひと月ほど前にはなりますが、9月23日に渋谷で開催されたヘアロス啓発イベント「Alopecia STAND UP!2023」に参加してきました。
ヘアロスとは、脱毛症や抜毛症、薬の副作用による脱毛などが要因となり、髪の毛や体毛が失われたり変形したりする状態を指します。
当イベントを主催する「Alopecia Style Project Japan(ASPJ)」さんは、ヘアロスに対する偏見や差別をなくし、当事者の方々が健やかな生活を送れるよう支援を続けているNPO団体(Alopeciaとは英語で「脱毛」を意味します)。
アメリカやイギリスにならって2022年から毎年9月を「ヘアロス啓発月間」と独自に定め、その活動の一環として開催されているのが当イベントです。
当日は、ヘアロスの当事者の方々やその支援者さんたちがイベントフラッグを手に渋谷駅周辺を歩くパレードを中心に、
トークショーやウィッグの試着販売会、美容学生さんが手がける子どもたちを対象にしたヘアメイク体験やファッションショーなどが行われ、私の娘も紫色のエクステンションを付けてショーに出演させてもらいました。
はっきりとした統計こそ示されていないものの、ヘアロスの症状がある方は国内に数万人いるといわれています。しかし社会的な認知度は決して高いとはいえず、ウィッグの購入をサポートするウィッグ補助金・助成金の対象も制限されているなど、当事者の悩みや生きづらさが充分に理解されていないのが現状です。
これからもASPJさんの活動を応援するとともに、社会全体で少しでもヘアロスに対する意識や理解が深まることを願うばかりです。
令和5年度補正予算審査の開催
さて、江東区議会では9月27日に、令和5年度補正予算審査、28日から5日間にわたって「令和4年度決算審査特別委員会」が開催されました。
今回のブログでは、可決された補正予算のなかから、私や所属会派がこれまで実現に向けて注力してきた制度や事業を取り上げ、その詳細や可決までの経緯などについてお話ししたいと思います。
要望書の提出を経て「特別支援学校の学校給食費無償化」が実現
まずは「特別支援学校の学校給食費無償化」です。
江東区では、令和5年10月から区立の小・中・義務教育学校を対象に給食費が無償化されることが既に決定していました。
ところが、区内に設置された都立の特別支援学校については対象外となっており、不平等であると言わざるをえない制度が開始されようとしていたのです。
この決定に対しては、当然ながら区内の特別支援学校に通うお子さんをもつ保護者の方々から要望の声が上がっており、私個人としても所属会派としても改善すべき問題として捉えてきました。
そこで、制度開始を前に特別支援学校に対しても区立の小・中・義務教育学校と同等の対応、合理的配慮がなされるよう、保護者の有志の方々を差出人とした木村弥生区長宛ての要望書を作成。作成にあたっては、保護者の方々の意見や要望をうかがうなど、私たちの会派も精力的に協力し、提出の際は私も立ち会わせていただきました。
要望書の提出は、あまり時間のないタイミングではありましたが、区長もこれを快く受領されました。こうして、保護者の方々の直接的な働きかけも実を結び、要望は補正予算に反映。結果として「特別支援学校の学校給食費無償化」を実現させることができました。
念願だった「ベビーシッター利用支援事業」の導入決定
次に挙げるのは「ベビーシッター利用支援事業」です。
この事業は、ベビーシッターのお手伝いを必要とする未就学児の保護者の方々が、東京都の認定事業者の一時保育利用する場合に、利用費の一部を都が100%負担して補助するというもの。
結果からお伝えすると、今回の補正予算審査にて可決され、江東区でも令和6年1月からスタートすることが決定しました。
「ベビーシッター利用支援事業」は、私が懸命に導入を目指してきた事業のひとつです。振り返ると、これまで江東区は導入に対して難色を示しており、昨年2月の予算審査時にも当事業は含まれていませんでした。
何がなんでも予算を勝ち取りたかった私は当時(都が利用費の一部を100%補助するため)、修正案の提出を目指したのですが、これに賛同してくれたのは二瓶議員と千葉議員のみ。修正案は4名以上の賛同がなければ受理されないため、残念ながら提出できず、とても悔しい思いをしたものです。
そして今年。5月に木村区長が就任されたことで潮目が変わり、「ベビーシッター利用支援事業」の導入は現実味を増し始めました。木村区長の指示のもと、6月の第一回定例会での可決を目指していたものの、この時点ではベビーシッターさんの人数や利用者数の精査といったいくつかの課題の整理や解決が間に合わず断念。しかし、補正予算として盛り込まれる流れとなり、今回の可決にいたったというわけです。
「ベビーシッター利用支援事業」は、東京都が2020年に開始した事業です。区が導入するには各区で可決される必要があったわけですが、開始から3年を経てようやく実現させることができました。
この3年の間、Googleフォームなどを通じて保護者の方々にアンケートをとったこともあります。記入欄いっぱいに育児に対する切実な思いを記された方もたくさんおられ、あらためて当事業の必要性を強く感じさせられたとともに、それらの声を議会へと提出してきました。
これまでにいくつもの壁に跳ね返されながらも可決にたどり着けたのは、私も含めた賛成派や保護者の方々の諦めない姿勢と強い思いが結実したため。「ベビーシッター利用支援事業」は、私としても肝いりの事業のひとつです。
<ベビーシッター利用支援事業>
開始時期 | 令和6年1月 |
補助対象 | 都の認定事業者の一時保育サービス利用料の一部 |
補助金上限 | 1人あたり144時間 ※7時〜22時 2,500円/h ※22時〜翌7時 3,500円/h |
おわりに
今回の補正予算審査で可決されたのは、全部で42の事業です。
すべての事業について触れるのは控えますが、このうち、私が注力してきたものとしては、「重症心身障害児(者)在宅レスパイト支援事業」「医療的ケア児等支援事業」「妊婦健康診査事業」「子ども食堂支援事業」などがあります。
また、私が公約に掲げてきたLGBT等、性の多様性への理解促進を図る啓発活動やパートナーシップ制度導入に向けた審議会の開催などについても、補正予算がつくことになりました。
予算がつくまでの道のりは決して平坦ではなく、様々な障壁や困難に立ち向かう自身の胆力と周りから協力や支援が求められます。これからも区民の皆さんからの声を受け止めて力を合わせ、粘り強く精力的に議員活動を続けていきたいと思います。
※木村区長が辞職されたため、12月10日に江東区長選挙が行われます。
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