三次ゆりか
三次ゆりか

みなさんこんにちは。江東区議会議員の三次ゆりかです。

私は、社会的養護に関する取り組みに注力していることもあり、児童養護施設への視察を度々行っています。
最近ですと、7月は中野区の乳児院、
8月は港区の東京都済生会中央病院附属乳児院、
9月は品川区の品川景徳学園、
そして10月は小平市の東京サレジオ学園と、
様々な地域の児童養護施設へおうかがいしてきました。

東京サレジオ学園での集合写真

東京サレジオ学園への視察の様子1

東京サレジオ学園への視察の様子2

※写真はすべて東京サレジオ学園への視察の様子

三次ゆりか
三次ゆりか

毎回、施設長さんや園長先生をはじめとした関係者の方々との対話を重ねるたびに、あらためて現代の社会的養護における課題について深く考えさせられます。

東京福祉保健局の発表によると、都内で社会的養護を必要としている児童は約4,000人。全国的には、約45,000人の児童に対して社会的養護を提供する必要があるといわれています。

里親やファミリーホーム、乳児院や児童養護施設など、社会的養護の形は様々ですが、法整備の影響もあり、年々、養護の規模が縮小されているというのが現状です。たとえば、かつて孤児院と呼ばれたような教会の児童養護体制では、多くの児童を受け入れることで知られていましたが、現在のファミリーホームは5〜6人の定員が定められているほか、里親も1人〜4人といったように人数制限がされています。また、要養護の児童数に対して児童養護施設の数が満ちたりているともいえず、今も社会的養護を待ち望んでいる児童が複数存在しているのです。

私はこうした現状を踏まえたうえで、里親委託を推進する取り組みを精力的に行っています。里親という概念をもっと世の中に広めると同時に、すこしでも多くのご家庭で要養護の児童を受け入れられる支援策を講じられるよう、これからも社会的養護に対する取り組みに注力していきたいと思っています。

令和5年第3回定例会における私の質問

さて、前回のブログでもお伝えしたように、江東区議会では2023年9月21日から「令和5年第3回定例会」が実施されました。

このうち、私は9月22日の本会議、10月2日と3日の決算審査特別委員会にて質問を行いました。

まず、私の各日の質問は以下の通りです。

9月22日 本会議
・産後ケアの充実について
・こどもまんなか施策について
・相談しにくい方への相談体制やアプローチ等について

10月2日 決算審査特別委員会
・新生児・産婦訪問指導事業について
・予防接種事業について
・みんなでまちをきれいにする運動事業について

10月3日 決算特別委員会
・放課後子どもプラン事業について
・幼小中連携教育事業について
・図書館管理運営事業について
・小学校・中学校プール安全対策事業について

どれも私が高い意識を持って熱心に取り組んでいる事業ですので、すべての詳細に触れたいところなのですが、今回は決算審査特別委員会の質問と答弁のうち、10月3日のものの一部を抜粋・要約してご紹介していきます。

江東区議会で登壇し質問する三次ゆりか

放課後子どもプラン事業について

放課後子どもプラン事業については、キッズクラブに焦点を当て、職員さんの処遇改善、子どもたちへ支給するおやつ代の負担、仕出し弁当導入の必要性などについてうかがいました。

  • 三次:
    キッズクラブにおけるお弁当の導入についてうかがいます。今は行っておりませんが、豊洲北小学校からスタートし、有明西学園、そして今年度、豊洲西小学校の保護者有志でスタートしました。 私のもとにも7校ほどやりたいとお声がけいただいており、どのように有志でスタートしたかなど、具体的に話をさせていただいている学校もあります。

    港区は区でスタートすることとなっており、いつかは江東区でスタートするという計画があるのであれば、各学校の有志が始めてしまった場合に切り替えが大変になるのではないかなという風に考えています。区として、仕出し弁当の導入についてどのようにお考えでしょうか。

  • 地域教育課長:
    江東キッズクラブにおける学校の長期休業中の弁当の導入につきましては、いくつか課題がございます。
    まず、宅配弁当事業者では、アレルギー対応を実施しているところがほぼない。したがって、アレルギーを持つ児童および保護者にとっては導入が不公平となる。
    2つ目は、容器の回収を実施している事業者が少なく、キッズクラブや学校での処理も困難なため、児童が持ち帰ることとなり、衛生面などで問題があったりする。
    3つ目は、既に保護者主体で導入しているキッズクラブによりますと宅配弁当が口に合わないのか、弁当を食べない児童が一定数存在している。これは他区でも同じ状況だそうです。
    また4つ目としては、江東キッズクラブは区の直系と複数の民間事業者が運営を担っておりまして、宅配弁当の事業者も複数あることから、統一した基準作りは困難であること。
    5つ目としまして、区がサービスして弁当を導入した場合、やはりキッズクラブの職員の負担増ということにもつながりかねないことから、場合によっては利用料への反映も視野に入れる必要があること。

    以上の課題から、区が主体で高い弁当を導入する考えは現段階ではございません。

  • 三次:
    お弁当の導入が始まったキッズクラブにおいて、どのような解決策や改善策を考えていますか?

  • 地域教育課長:
    区といたしましては出来る限り保護者主体でやっていただきたいということです。保護者主体での宅配弁当等については、区としてフローチャート化をしたり、マニュアル化をして、ご利用の保護者に示すことを考えております。その方が、保護者や子どもたちの意向にかなうのではと考えております。

  • 三次:
    保護者主体でも、皆さんが分かりやすいように、どんなエリアでも対応できるようなマニュアル作りを要望します。

幼小中連携教育事業について

幼小中連携教育事業は、幼児期から義務教育期までの一貫した教育の実現を目指す取り組みです。こちらでは、主に支援配置についての質問をしました。

  • 三次:
    令和4年度決算ノートを見ると、支援員配置内容に1年生全学級に4月から7月との記載があり、小学校1年生の入学から夏休みまでの雇用となっています。その理由をまずお聞きいたします。

  • 指導室長:
    小一支援員は、入学した児童が学校の生活に適応できないために起こす問題行動の対策として、生活指導や学習指導の補助を行うものです。 従いまして、児童が学校生活に慣れる、適応する期間の支援として4月から7月の配置となっております。

  • 三次:
    学校現場からは、夏休み後も必要だと声が届いています。子どもたちの学びや学校生活の安定のため、少なくとも1年間の雇用期間の延長を強く要望いたします。 夏休み明けは久々の学校で、子供たちは落ち着かないのではないかと考えております。できれば、低学年すべての教室に支援員を配置することで、子どもたちの学びの質の向上や教育の均等化を図れるのではないかと考えます。

    低学年においては、学びの基盤となる機関であり、特に集団生活のルールを学ぶ重要な時期です。そのため、十分な人的支援を提供することが必要不可欠であり、区としての取り組みとして支援体制の強化を行うべきです。これを踏まえて、支援員の雇用期間を1年間に延長し、低学年の全教室に支援員を配置する計画はありますでしょうか。

    今後、このような要望にどのように対応されるのか、区の方針や考えをお示しください。

  • 指導室長:
    低学年における支援や期間の延長については課題であると認識しておりますので、東京都が実施している事業の活用も含め検討しているところです。

  • 三次:
    子どもたちの教育段階での学びや成長において、支援員の役割は非常に大きいと考えます。そのため、支援体制の拡充や期間の延長に向けた具体的な計画や方針が作られることを期待したいと思います。先日の教育長の答弁では、辞める教員を減らす、辞めないように支援するとおっしゃっていました。教員を減らさないようにするためには、小一支援員が必要です。

    先日も小学校1年生の授業を拝見しましたが、現場では担任の先生が廊下に出た子を追いかけ、クラスの中から何人かまた出てきたりしている子もいたり、 隣のクラスも喧嘩があったのか、先生と泣いている子どもたちが教室から出て廊下で話し合っていて、クラスの中は自由な空間が繰り広げられておりました。これは小学校1年生の担任の先生は、子どもを追いかけるだけで疲弊するなと感じました。

    江東区は子どもがとても多い区です。子どもを“真ん中”として考えたうえで、江東区独自で支援員に予算をつけ、子どもたちの教育のために教員を減らさないように工夫していただきたいと要望します。

図書館管理運営事業について

図書館管理運営事業については、現状の図書館利用の状況に対する認識や、幅広い年代の区民の皆さんに図書館の利用機会を均等に提供できるような対策についてうかがいました。

  • 三次:
    現在、図書館の利用について多くの区民から様々な声が上がっています。特に、学生が図書館を利用する際、高齢者の方々やほかの方々が長期間にわたって席を占めているため、席に座れないという事態が生じているようです。また、一部の利用者が席を長時間占有することで、多くの区民が図書館を利用する機会を失っているようです。

    渋谷区では、このような問題に対応するために予約制を導入しています。予約制によって、多くの区民が公平に図書館を利用でき、学習や読書の時間を確保できるようになります。そのため、江東区でも図書館の席を予約制にし、利用機会の均等化を図るべきだと考えます。この問題に対し、区は図書館の席の予約制導入を検討されているのでしょうか。

    また、現状の図書館利用の状況についてどのように認識をしているのか、そして、図書館の利用機会を多くの方に提供するための具体的な対策があるのかうかがいます。

  • 江東図書館長:
    区立図書館では、閲覧席のほか、パソコンコーナーや学習室など、様々な座席を設けております。 その利用状況につきましては、各館において座席数がおおむね確保されているものと認識しておりますが、一部利用者の多い豊洲図書館や、学校の定期試験期間前などについては、空席が少なくなることがある現状は認識しているところです。

    対応としましては、豊洲図書館では一部の座席に時間性を設けているほか、江東図書館では学生向けにグループ学習室を設置するなど、より多くの方に、利用いただけるよう努めているところです。お尋ねの予約制の導入についてですが、渋谷区をはじめ、他自治体にて導入されていることは把握しています。導入している予約システムやその運用については様々ですが、その効果や経費等についての情報収集をするとともに、導入した場合の課題整理を行っているところです。

    システムの導入によりまして、より多くの方に座席を利用していただけることが見込まれる一方で、図書館につきましては、小さなお子さんから高齢の方まで広くご利用いただいている施設であることから、どなたでも利用可能となる運用方法や、現在、本区で導入している図書館システムとの連携の可能性も含めまして、引き続き検討してまいります。
    今後とも、各館の座席利用状況については注視をしながら、大規模改修等の機会を捉え、座席数の見直しも含めて、来館された方が座席をご利用いただける機会が確保されるよう取り組んでまいります。

  • 三次:
    図書館が学習や読書のための重要な場所であることを考えると、より多くの区民が公平に利用できるような対策をお願いしたいと思います。
    併せて、学生から届いている要望としては、貸し出しカードの電子化です。電子化についてもぜひ検討し、課題整理をして検討していただきたいと思います。

小学校・中学校プール安全対策事業について

小学校・中学校プール安全対策事業については、主に学校における水泳授業のあり方と猛暑の中での安全対策についての質問をしました。

  • 三次:
    小中学校におけるプール安全対策事業についてうかがいます。
    保護者より、近年の猛暑は学校での水泳授業にも影響を与えているというお問い合わせが年々増えております。
    水泳は生涯にわたって役立つスキルであり、子どもたちがこの機会に習得することは非常に重要です。暑さの影響で水泳指導が中止になることは、その重要なスキル習得の機会を奪うことにつながります。

    また、今年の夏休み初日には各地で水難事故が発生し、複数の児童が死亡する痛ましい事故もありました。川や海へ行く機会の増える夏休み前の水泳指導は重要であることは間違いありません。
    この点、昨年度及び今年度の区立小中学校における水泳指導の実施状況をうかがいます。
    そのうえで、水難事故予防の観点からも夏休み前の水泳指導は重要だと考えますが、その課題について区の見解を伺います。

  • 指導室長:
    水泳指導についてですが、昨年度も今年度も小中学校で実施しております。しかしながら、昨年度はコロナ対策として間隔をとるために、プールに入る人数を制限することがありました。 また、昨年度、今年度同様に、気温が35度以上、暑さ指数が31以上は、運動が原則禁止のため、予定していた水泳指導を中止あるいは延期したこともありました。
    ただし、今年度については夏期休業前に1度も水泳指導を行えなかった学校はありません。
    課題としましては、今後も暑さのために計画を変更することが、想定されますが、子どもたちの命を守ることを第一に考え、その上で適切に水泳指導を行ってまいります。

  • 三次:
    命を第一に考えていただきたいと思います。
    水泳教室をされている方よりアドバイスをいただきました。この猛暑では、今までの水泳指導は難しいので、これからの指導ガイドラインを海やプールの危険性についての指導に変えていった方がいいとのことでした。水泳授業では水が危険なことを学び、記録を伸ばす指導であれば水泳教室へということです。

    学校での水泳授業が減ってしまうのであれば、民間事業者への委託や、スイミングスクールで使えるようなクーポンを配布するなど、工夫した取り組みをしていただきたいと思っております。 時期をずらすといった工夫も必要になってくると思いますが、見解はいかがでしょうか。

  • 指導室長:
    水泳指導では、水遊びや水泳の心得を守って、安全に気をつけることも1つの狙いとなっておりますが、運動の楽しさや喜びに触れ、運動の行い方を知るとともに、その動きを身につけることや、 事故の能力に適した課題解決の仕方や記録への調整の仕方を工夫できるようにすることも狙いとしております。

    現在、このような指導が進んでいないとは考えておりませんが、例えば、定期健康診断の時期を早める、プール清掃等の準備を早めるなどにより、6月の早い時期から水泳指導を行うことが可能となるため、実施時期等につきましては今後も検討してまいります。

  • 三次:
    熱中症への対応は大変かと思いますが、子どもたちのためにぜひ現場一丸となってお願いしたいと思います。